入院4週間目
この頃の私は,かなり不安定でした。
入院当初に渡された,入院計画書には,
『予定期間 2週間』
と書かれていたのですが,2週間が過ぎ,3週間が過ぎても,『退院』の言葉は見えてきませんでした。
書いていただいた診断書も
『1か月間の休養を要する』
とのことでしたが,まだ退院もできないのに,仕事復帰どころではありません。
身体が思うように動かないことへの不安や苛立ちと,早く仕事に復帰しないと,という焦りとで,気持ちがめちゃくちゃでした。
そんな中でも,人には笑顔を見せないと!
と,いつまでも気を張っていた私ですが,あるとき,病棟の師長さんに
『あなたがいつもニコニコ頑張ってるのは,みんな知ってるよ』
と言っていただきました。
辛いときは泣いてもいいの。
本当は辛いはずなのに,笑顔で頑張っているから,本人の前ではみんな何も言わないけどね。
あなたが頑張ってきたものを壊したくないから。
でも,みんな『あの子はいつも笑顔ですごい。』って。
『私たちが元気もらってる。』って言ってるんだよ。
自分の病気を受け入れようとするのは,まだ早い。
今はまだ泣いても良いんだよ。
そんな感じの言葉だったと思います。
師長さんの言葉が,心に真っ直ぐ届いてきて,自然と涙が溢れてきました。
病院に来てから,人前で初めて見せた涙でした。
それから少しずつ,張り詰めていた気持ちも緩やかになり,看護師さんたちにも素の自分を見せられるようになっていきました。
あのときの師長さんの言葉には,本当に本当に救われました。